百々染は、化学染料を使っていません。
世の中にはたくさんの「染めもの」があります。
中には、植物の力に化学染料もうまく併用することにより発色をコントロールし、仕上がりの色を安定させているものもあります。
百々染は、化学染料を使わないため、同じ色のストールは1枚も存在しません。
ですが、私たちは、
それこそが、百々染の魅力だと思っています。
「ピンク色のストールを作るために」と、計算し尽くして染液をつくるわけではありません。
移り変わる季節、過ぎていく季節の色を少しだけ切り取って、自然の色をそのまま布に閉じ込めているのです。
草木や花、実由来の鮮やかさだけでなく、
その日の天候や、気温、湿度も色を決める条件のひとつ。
晴れた日と雨の日では、同じ植物でもなんだか少し表情がかわります。
季節の一片を切り取るように、季節の終わりを惜しむように、
ひとつひとつ正直に、丁寧に染め上げています。
さらに、
あの人が染めたら、やさしい色に染まったけれど、
この人が染めたら、元気な色に染まった、なんてこともあります。
何気ない日常が重なり合うことで、
奥深くやさしい、美しい、
世界にひとつだけの色彩が生まれるのです。
日本製の上質な生地を使って1枚ずつ丁寧に染め上げる、シルクのストール。パールのような輝きを放つシルク生地は、日本の機屋で織っています。
シルク特有の、高貴で優雅な表情です。カジュアルなスタイルに一枚プラスするだけで、ぐんと明るいコーディネートに。ドレッシーなスタイルのポイント使いにもぴったりです。
繻子織りを用いた織物の一種で、美しい光沢が特徴です。生地由来の光沢で、キラリと輝く上品な色に染め上がります。
薄くて軽い、ちりめんの一種。透明感のある柔らかな手触りとしなやかで美しいひだが、軽やかな装いとの相性も抜群。
川の流れのような細かな経シワが入った織物。自然の凸凹により、肌に触れる面積が少なく、夏でも身につけられます。
自然あふれる山あいの里、岐阜。「第二いぶき」の周辺に咲く花や、木の枝、草など、周辺で採集した植物を使って百々染を染めています。同じ施設内で製造する自然派ジャム「りすのほっぺ」の製造工程で出た果実の皮や実を使ったり、農家さんからゆずりうけた野菜や果物が活躍したりと、百々染の素材の出身地はさまざまです。
木の枝と葉を細かく分別したり、色が出やすいように葉や花びらをちぎったり。美しい色を出すために大切なこの工程も、百々染のつくり手たちがひとつずつ丁寧に行っています。葉っぱ一枚、花びら一枚が分別されることによって、植物の素直な色に出会えるのです。彼らの丁寧な手作業があってこそ、曇りのない美しい色をつくり出すのです。
分別した草木を使って、コトコトと染液を煮出したり、花びらに酢と塩を加えて花の色素を出したりと、植物によってそれぞれ異なる方法で染液を作ります。染液に浸けたら、媒染液で色を染着・発色させ、さらに濃度を濃くした染液で染めて…。この地道な作業を4回以上繰り返します。さらに翌日に色を重ねることも。すべて1枚ずつ、丁寧に、色を何層にも重ねて鮮やかにしていくようなイメージで染め上げているのです。花や実の色が映し出されるストールもあれば、くすんだ枝の色から想像もしないような穏やかな色になることもあります。自然の中に見え隠れしている色を、つくり手たちの手によって、丁寧に、1枚の布へと伝えているのです。
百々染は、いつ、どんな植物で、誰が染めたのかを、ストール1枚ずつに記載しています。
「敬老の日は、1月23日生まれの母親に、誕生日に染めたストールを贈ろう」
「ふたりの結婚記念日に染めたストールを、妻に贈ろう」
「誕生日のプレゼントは、その日に染めたストールにしてみよう」
そんな贈り方ができるのも、百々染ならではです。
贈られた人にも、その驚きと喜びを実感していただくために、
箱におさめたシルクストールとともに、
日にちを印字した、その日だけの「Day Card」を封入しています。
染めた植物のこと。その日のこと。
どんな光景の中で、そのストールが染められたのか…などが記されています。
贈る方も贈られる方も嬉しくなる、
そんなサプライズをお届けします。