日本人なら誰でも知っている「桜」。
桜の花が咲くと「春がやってきたな」と感じる、日本の春の風物詩ですよね。
淡いピンク色の花はかわいらしく、どこか奥ゆかしい雰囲気があります。
「花」の印象ばかりが強い桜ですが、百々染工房ではこの桜の「枝」に注目。
あんなに可愛らしいピンクをしている花びらですが、実はどれだけ煮出しても染液はできないのです。
花をピンク色に見せてくれるあの成分は、花が咲く直前の枝にたくさん含まれているため、桜は「枝」が染めに最適なんです。
桜の枝は、色がよく出るように細かくカットして、鍋で煮出していきます。
桜の枝でつくった染液ですが、1染目は、アクが多く出る影響で、オレンジ色が濃く出てしまいます。
しかし、2染目になると紅茶のように赤っぽくなっていきます。とても不思議ですね。
百々染工房では、この2染目以降の染液を使って、桜色のストール染めをしていきます。
目指すのは、桜の花のような優しいピンク色。
でも、1度にたくさんの染液を使って濃い染液をつくると、ストールに入る色が濃くなり、オレンジに近い色になってしまいます。
そのため、タライにいっぱいにお湯を張り、その中に原液を数滴たらしてつくった薄めの染液で、薄目に色を入れていきます。
それを何度もくり返し、少しずつ色を重ねていくことで、まるで優しい桜の花のような、淡いピンク色に仕上がるのです。
真っ白のストールが少しずつピンク色になっていく様子を眺めながら染めているのは安藤さん。
安藤さんも色の変化を見ながらとても嬉しそうです。
「ピンク色になってきたよ」と笑顔で教えてくれながら、丁寧に、ゆっくりと染め上げてくれました。
桜を使った百々染は、とても優しい色になりました。
訪れる春を教えてくれるような。
この国の奥ゆかしさを伝えてくれるような、日本の伝統色のような。
そんな、かわいらしくて上品な色に染まったストールを身につけて、暖かい春を感じてみませんか。
(文/かしはら)
3/28のさくらの枝 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | さくらの枝 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
4/3のさくらの枝 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | さくらの枝 |
サイズ | 180×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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