梅はバラ科の一種で、古くから日本人に親しまれてきた落葉高木です。中国から日本にもたらされたものだといわれています。梅には白梅と紅梅があり、12月に冬芽を出し、だんだんとふくらんでいき、3月に花が咲きます。
そんな梅、百々染の工房では花ではなく枝を使って染めています。今回、工房で染めているのは紅梅の枝です。
梅は地域の方々から頂き、その枝を細かく切って使います。細かくすることで煮出した時に染液の色がより濃く色づきます。また、枝はお米などを入れる紙袋に入れ、大切に保存しておきます。
ネットに入れた枝を、寸胴で30~40分ほど色を確かめながら煮出していきます。煮出した染液は丹念にこしてから一晩ねかせます。翌日使うときには染液が沈殿していることがあるため再びこして、温めてから染めます。一度煮出した枝は5染ほどまで使うことができます(5染というのは同じ枝を使って5回煮出すということです)。枝を剪定する時期や 年によって染液の色味は変わるため、どんな色に染め上がるかワクワクするのも百々染の魅力です。
作り手は安藤幹生さん。染液の中にストールをいれ、優しくゆらしながら染めていきます。媒染となるアルミと染液を10分ほどずつ交互につけることで色が安定します。気温や気候、染液の温度で色見が少しずつ変わってくるのが百々染ですが、仮に同じ条件でも、違う色に染め上がることも。もしかすると、染めての“こころ”までもがストールに映しだされているのかもしれません。
時にはこんなことも。ほかの染め手と顔を見合せながら仕事をする百々染工房。お互い、どんな色に染め上がっているのか気になります。隣で染めているストールを見て、「とって も良い色だね!」「僕のはこんな色になってるよ」「ほんとだ!きれいな色だね」と励まし合いながら、それぞれの手の中でストールをさらに色を重ねていくのです。
(文/こまつ)
10/16の紅梅 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | 紅梅 枝 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
1/15の紅梅 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | 紅梅 枝 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
1/12の紅梅 | |
タイプ | ストール |
素 材 | サテン |
植 物 | 紅梅 枝 |
サイズ | 190cm×43cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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