去年はピンク色。 今年は紫と黄緑色のストールが染め上がりました。実はこのストールは全て、チューリップで染め上げたものです。穏やかな春を告げてくれるチューリップの花。どの色のストールも今の季節によく似合う、春らしい色です。
4月2日から4月17日まで、岐阜県海津市の木曽三川公園で開催されていた「チューリップ祭」をご存知でしょうか。
毎年、木曽三川公園さんのご厚意で、イベントが終わった後チューリップの花びらを百々染のために分けていただいています。ひとつひとつ大切に育てられたチューリップ。今年も工房のみんなでチューリップの花びらを採りに行ってきました。
「チューリップをいつもありがとうございます」
みんなで管理者の方にもお会いして、感謝の気持ちを直接伝えることができました。毎年楽しみにしているチューリップの収穫。天気にも恵まれ、みんなで染料になるチューリップの花びらをたくさん集めました。
集めたピンクと赤のチューリップの花からは、一枚一枚丁寧に花びらを取り、酢と塩を揉みこんでつけておきます。つけこむ時間は、なんと1週間。じっくりと時間をかけて、染液の原液ができあがります。
もうひとつ頂いた、黄色の花びらのチューリップ。これは、鍋で煮出して染料を作ります。煮出して作る染料は、採れたてが一番。濃くて鮮やかな染料ができました。
黄色のチューリップでストールを染めたのは、安藤幹生さんです。自分の手で採ってきたチューリップの花びらを、自分の手で染めることができて、とっても嬉しそうです。「この染液何?」と聞くと、「チューリップ!」と笑顔で答えてくれました。「いい色になるよ」とおまじないのようにつぶやきながら染めていきます。
染液につけた後、交互に媒染となるアルミ液にもつけていきます。すると、染液につけていた時には黄色だったストールがだんだん緑色に変化していきます。その変化を見たスタッフと安藤さんは、顔を見合わせてびっくり。染料とアルミ液に交互につけていくことで化学変化が起こり、こうして色が変化していく染料もあるのです。
こうして、色鮮やかなチューリップの花びらから、春にぴったりの新緑のようなストールができあがりました。この黄緑色は、今年たった一枚だけ姿をみせてくれた、とても貴重なストールとなりました。
ひとつひとつ小さな球根から、時間をかけて育てられたチューリップに感謝を込めて、今年も大切に収穫させていただきました。あたたかい太陽の日射しや穏やかな風…。その年の春の恵みがめいっぱいに詰まったチューリップのストールが、今年も染め上がりました。
今年も綺麗に咲き誇ったチューリップの花々。そんな花を集めて染めた、百々染のシルクストールを身につけて、お出かけしてみませんか?
(文/あらい)
4/20の チューリップ |
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タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | チューリップ たんぽぽ |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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4/27の チューリップ |
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タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | 菜の花 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
5/2の チューリップ |
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タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | チューリップ |
サイズ | 180cm×30cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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