「さざんか」という花の名前、誰もが一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
童謡の「たき火」に出てくる有名な花で、晩秋から初冬にかけての寒い時期に、鮮やかなピンク色の花を咲かせます。
花弁からは、綺麗なピンク色のストールができますが、今回はさざんかの葉からできるストールについて紹介します。
さざんかの葉を煮出して作った染液がこちらです。透き通った綺麗な黄色ですね。
この染液で染めたストールは、想像通り、淡くて優しい黄色に染めあがります。
ですが、百々染の工房で、最近ある発見をしたのです。
この鮮やかなオレンジ色の染液。実はこれも、さざんかの葉を煮出した染液です。
実は、さきほどの黄色の染液がたくさん作れたので、「明日もこの染液で染めをしよう」と、余った分を工房の土間に保管しておきました。
染液が日に当たり、そのまま一夜明けた、次の日の朝。
なんと、黄色から濃いオレンジ色に変化していたのです。
これは初めての体験で、百々染工房のスタッフみんなもとても驚きました。
草木染めの黄色は、草木を煮出した時に出るタンニンによる色だと言われています。
おそらく、今回はタンニンが酸化したことにより、色が変化したものだということがわかりました。
せっかくなので、色が変わったさざんかの葉の染液で染めてみました。黄色のストールよりも少し落ち着いた、淡いオレンジ色に染め上がりました。
左側の黄色のストールは、薄い綺麗な黄色。まるで、冬から春へと移り変わる時季の、優しい陽だまりのようです。
太陽の光を浴びた、右側のオレンジ色のストールからは、厳しい冬を越してきた、さざんかの力強さを感じます。
天然の草木から作るストールは、同じ植物でもこのように異なる雰囲気になることも多く、毎回、新鮮さを感じさせてくれます。
今回のように、思わぬできごとから新しい発見をすることもあり、染めの世界の深さを実感するとともに百々染工房ではつくりてもスタッフも毎回ワクワクしながら、自然の力に驚いています。
さざんかの二面性が感じられる、2色のストール。どちらもこれからの季節にぴったりな爽やかな色に染め上がりました。みなさんは、どちらの色が好きですか
(文/やじま)
2/26のさざんかの葉 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | さざんかの葉 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
3/6のさざんかの葉 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | さざんかの葉 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
5/17のさざんかの葉 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | さざんかの葉 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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