鮮やかな緑が、野原や山に広がっていく、気持ちの良い初夏。
この季節に、道ばたや公園、野山などでよく見かけるのがこの「ヒメジオン」
1円玉くらいの、とても小さな花。
工房の周りにも、まるで顔を並べるように同じ方を向いた白い花が咲き誇っています。
実はこのヒメジオン、「雑草」に分類されているのをご存知でしょうか?
「ヒメジオン」という可憐な名前や、可愛らしい見た目から、思わず一輪摘んで持ち帰りたくなる愛らしさです。
花言葉は「素朴で清楚」
雑草でありながら、この可愛らしさや清楚さを感じられることに由来されているそうです。
ただ見ているだけではわからない、花や草の魅力。
人と人とのかかわり合いと同じで、「知るほどに」「付き合っていくほどに」わかる「奥深さ」や「美しさ」を持っていることを、小さな雑草から教えてもらいました。
収穫してきたヒメジオンを染めるために、小さく細かくちぎってくれるのは土田さん。
ひとつひとつ優しく、丁寧に。小さな花をつまんで「ぷちっ、ぷちっ」と取っています。土田さんのこの優しい手から、百々染のバトンがつながっていくのです。
土田さんからのバトンを受けて、染め上げてくれるのは河出さん。
染液に浸ったストールと向き合いながら、ゆらゆら、じっくりと染めていきます。
そうして染め上がったストールは、この時季にぴったりな鮮やかな黄色になりました。
太陽に照らされて、小さくても空に向かって目一杯花を開くヒメジオン。
そんなヒメジオンの優しさと力強さが、ストールいっぱいに広がりました。
(文/さとう)
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