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「控えめな優しさ」と「誇り」の色

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古くから庭木として親しまれる椿。町なかや庭先で見て知っている人も多いのではないでしょうか。椿柄の小物や椿の油を使った商品なども人気がありますね。

例年2月~3月に花を咲かせますが、今年は暖冬のため、早めの開花となりました。椿と似た花に山茶花があります。見た目が似ているので間違える人が多いですが、葉の形や咲き終った花の散り方などで見分けることができます。椿のような花を見つけたら、よく見てみるとおもしろいですよ。

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大切に育てた大きな椿の木。「咲いた花からどうぞ」と脚立を持って一緒にとってくださったのは、第二いぶきの近くに住む一人の女性。まだ咲いて間もない、これから見ごろが続く椿の花を、「百々染のために」とくださいました。山間にある第二いぶきでも、草木が手に入りにくい冬の時季。地域に住む人々に支えられながら、こうして染めができることにいつも感謝しています。

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いただいた椿は、その日のうちに葉・茎・ガクを取り、花びらだけを仕分けします。花は、摘んだその瞬間からしおれ始めてしまうため、スピードが大切です。手早く仕分けることで、鮮やかな色の染液にできあがるのです。また、すでにしおれて黒くなった部分が混じると、にごった色の染液になってしまうため全て取り除き、きれいな花びらの部分だけを使用します。

きれいな色の花びらをさらに細かくちぎり、塩と酢と水を混ぜてよく揉みこみます。百々染は化学染料を一切使わず、自然のやさしい色合いにこだわった商品です。染液を作るときに使うのも塩と酢。まるで料理をしているようです。しばらく揉み込んでいると、モコモコと泡が出てきました。最初は白色だった泡がだんだんとピンク色の泡になっていきます。それが、色が出始めた証拠です。

この液を、空気にふれないよう密閉して1~2週間待ちます。その間、少しずつ工房に届く椿で同じ行程を繰り返し継ぎ足すこと3週間。時間をかけて染液ができあがりました。

前川鮎子さんは、百々染工房で働く染め手の一人です。女性らしい鮮やかな色を柔らかく染め上げるのが得意で、やさしい手つきで繊細なシルクのストールを包み、ゆっくりと揺らしながら染めていきます。

 

時間をかけ抽出した椿の染液は、赤ワインのような深みがかった上品な赤。シルクストールを染液の中に落とし、前川さんがやさしく揺らします。染液を作るときはピンク色だった泡が、ストールに色が染まってだんだんと白色に変わっていきます。しゅわしゅわと音を立てながら、小さくはじける泡に包まれて、椿のシルクストールが完成しました。

 

椿の花言葉は「控えめな優しさ」そして、もう一つは「誇り」。

 

人とともに、自然とともに、百々染は歩んでいます。ストールの色は、自然の色をじっくりと時間をかけてとりだし、落とし込んだ色です。自然をそのままだから、柔らかく控えめな仕上がりなのでしょう。椿を提供してくれた人から、百々染のストールを身につける方まで、たくさんの方がつながって1本のストールができあがります。つながった誰もが優しく幸せな気持ちになれる、そんな存在だと思っています。

 

(文/やまだ)

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2/2のつばき
タイプ ストール
素 材 ジョーゼット
植 物 つばき
サイズ 180cm×52cm
価 格 16,200円(税込)

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2/4のつばき
タイプ ストール
素 材 ジョーゼット
植 物 つばき
サイズ 180cm×52cm
価 格 16,200円(税込)

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1/18のつばき
タイプ ストール
素 材 ジョーゼット
植 物 つばきの葉
サイズ 180cm×52cm
価 格 16,200円(税込)

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