朝夕の気温もぐっと下がり、秋らしさが感じられる季節になってきました。そんな時季に採れる、旬の植物があります。
みなさんは「刈安(カリヤス)」という植物を知っていますか。
刈安はイネ科の植物で、ススキと同じように晩夏から初冬にかけて穂をつけます。
見た目はこのようにススキと似ていますが、ススキに比べて穂の数が少なく、少し背丈が低いのが特徴です。
染料を採るグループは、屋外に出向き、穂が出ていない刈安を見つけにいきました。
刈安を見つけ、採ろうとしているのは山田さん。
山田さんの背と比べると、刈安の背丈の小ささがわかります。
季節を感じながら、山田さんは満面の笑みでたくさんの刈安を摘んでくれました。
刈安から抽出した染液は、鮮やかな茶色です。
この茶色の染液に浸したストールは、そのまま落ち着いた色になるかと思いきや、実は時間が経つと鮮やかな黄色に変化していきます。
「ストールをしっかり染液に浸し、手でしっかり押さえる。」
これが、川島さんの染め方です。
ストールを持ち上げて色合いを確認します。これが、丁寧に染め上げる秘訣です。
「キレイに染まれ~!」と、想いを込めて染め上げ、美しいストールができあがりました。
実は、日本の伝統色には「刈安色」という色があります。
刈安色は、黄色系の色調をあらわす染料として、古来より重宝され、着物文化にもとても縁の深い植物です。
このストールを身にまとって、初秋の気分を味わってみてはどうでしょうか
(文/やじま)
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