「月桂樹の木が台風で倒れてしまったので、ぜひ染めに使って下さい!」
そんなお声が工房に届いたのは、9月下旬のことでした。
百々染の工房では、自分たちで栽培した植物を染料にすることもありますが、地域の方や知り合いの方からのこうしたお声がきっかけで染めをする機会もたくさんあります。
改めて、「たくさんのつながりにいつも支えてもらっているんだなあ」と実感する瞬間です。
大きく、立派に育った月桂樹。
大切な月桂樹は、葉っぱも枝もひとつ残らず、大切に使わせていただくことにしました。
月桂樹の花言葉は、「栄光」「勝利」「栄誉」。
古代ギリシャでは、月桂樹の小枝で作った冠を、勝者や英雄に授け讃える習慣があり、それが花言葉の由来になっています。
現代でも、オリンピックやスポーツ大会で優秀な成績をおさめた選手たちに、月桂樹の冠を授ける場面も。とてもおめでたくて、よく知られている植物です。
いい染液が出来るよう、葉っぱをちぎっていく、「ちぎる」チーム。
枝からブチッブチッと豪快にちぎっていく人もいれば、細かくちぎることが得意で、集中して葉っぱを細かくしてくれる人も。
それぞれの得意なやり方で、次々と枝と葉っぱを分け、ちぎっていきます。
葉っぱをちぎっていくと、さらに月桂樹の香りが増します。作業が進むにつれて、工房全体がさわやかな香りに包まれました。
これまで、百々染工房では、月桂樹の葉しか染めたことがありませんでしたが、今回は枝も葉もたくさんいただいたので、初めて枝を煮出して染液を作りました。
月桂樹の枝からは、優しいピンク色の染液ができあがり、ストールも穏やかなピンク色に染めあがりました。
今回のご縁で、たくさん月桂樹をいただいたおかげで、月桂樹の葉と枝の両方、異なる色のストールができあがりました。
月桂樹の枝から煮出した染液で染めることで、こんなに優しい色味に仕上がるとは、工房でも新たな発見でした。
こうして、地域の方々とのご縁をつないでいる「百々染」。この想いが、使う人にまで届くといいなと考えながら、日々丁寧に仕事を重ねています。
月桂樹の葉と枝から、冬から春にかけてぴったりな、優しい色合いに仕上がった黄色とピンク色のストールたち。
ぜひ手に取ってみてくださいね。
(文/かしはら)
11/2の月桂樹 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | 月桂樹 |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
11/15の月桂樹 | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | 月桂樹 |
サイズ | 180×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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