「つるむらさき」という植物の名前を耳にしたことはありますか?聞き慣れない方も多いのではないでしょうか。
名のごとく、茎やつるは綺麗な紫色をしているツルムラサキ科の植物で、中国南部から東南アジアにかけて栽培され、約2000年前から食用にされていると言い伝えられています。
日本では、江戸時代から薬草や観葉植物として用いられていたようですが、近年は天ぷらや、蕎麦といった食用として食卓に並んでいます。
染料として染めものに使われている例もあります。国内では、沖縄で「島野菜」として多く栽培されているそうです。
百々染工房があるのは岐阜市出屋敷。ほんの少し北上すれば関市武芸川町に入るという、岐阜市の中でも最北部にあたります。
実はこの「つるむらさき」、工房の近くでも栽培されています。
栄養価が高く、薬草としても使われることから由来された花言葉は、「頼りにします」。
そんな、力強く美しいつるむらさきを使って、染めに挑戦してみることにしました。
つるむらさきの収穫をしてくれたのは竹地さん。
目からの情報はあまり得意ではありませんが、スタッフのナビゲーションを頼りに、一緒に触れながら収穫をしました。
染液を作るには、収穫した実をしぼって、紫色のしっかり濃い液を出していきます。果実からは、とても濃厚な紫色が出てきました。まるでブドウジュースやワインを作っているような、とても美味しそうな色合いです。
絞って抽出した染液を受け取り、染めるのは石原さんと、寺澤さん、野々村さん。染液の入った袋にストールを入れて、ひとりひとり得意な染め方で手を動かしていきます。
石原さんは、やさしい手のちからで、そっと…。そっと手や指を動かして、静かに袋の中のストールを揺らしながら染めていきます。順番に仲間にバトンを渡していきます。
寺澤さんは、左手をタップしながら袋を揺らすのが得意。寺澤さんの手つきで、さらにじっくりと染めていきます。スタッフと一緒に歌を口ずさみ、リズムやカウントにのって手を動かしています。
隣にいる野々村さんと協力することもあり、一緒にリズムにのったり、お互いを意識しながら、目を合わせたり。長い付き合いのなかで「わかっている」存在が織りなす、特別で大切な時間です。
収穫から工程を渡るバトンが繋がって、一本のストールができあがりました。
つるむらさきの花言葉と同じように、百々染にとって、工房で働くひとりひとりが「頼りにされる存在」。
このストールが、誰かの生活のなかの「頼れる存在」になレたら、とても嬉しいです。
(文/さとう)
2/13のつるむらさき | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | つるむらさき |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
2/15のつるむらさき | |
タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | つるむらさき |
サイズ | 180×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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