以前、『秋の訪れを告げるくさぎの実』と題して、くさぎのストールについてのコラムをご紹介しましたが、今回はその続編。
くさぎのストールができるまでをお伝えしたいと思います。
「摘む」グループの作り手が採ってきた、たくさんのくさぎが集まりました。
ここから、青い実だけを取る「ちぎる」グループの作り手にバトンが渡ります。
くさぎの実を使って染液を作るのですが、この「ちぎる」工程がとても大切です。
細かい作業ですが、ひとつひとつ丁寧に手作業で実を取っていきます。
枝やガクが入ってしまうと、いい色が出ないからです。
1日でできる量は、だいたいこれぐらい。
この作業を何日も何日も繰り返し、実をたくさん貯めていきます。
今回は、3日分の実を使って染液を作ることになりました。
くさぎの実を煮出すと、緑がかった鮮やかな青色の染液ができます。
これでやっと「染める」グループの作り手へ、バトンが渡されるのです。
さて、これまでの「摘む」「ちぎる」グループから、次はいよいよ「染める」グループの作り手へ。
本来、草木染めには色素を定着させる媒染(ばいせん)という工程が必要なのですが、このくさぎの場合は、媒染は要りません。
くさぎの実には色素を定着させる成分が入っているからです。
本当に、染めの世界は奥が深いです。
また、自然の草木で青系の素材は大変貴重で、藍やログウッドもあるのですが、身近にあるものではこのくさぎしかありません。
青色のストールは、とても人気があります。
ですので、くさぎが実をつける季節になると、百々染工房では総力を挙げて、くさぎのストールを染めるのです。
山際に咲いているくさぎを「摘む」ところから始まり、ひとつひとつ実を「ちぎる」作業を経て、大事な染液で「染める」。
そして、最後は「身につける」。
今年も、この季節の “あおいろのバトン” を受け取ってくれる方に出会えるよう、願っています。
(文/たけごし)
8/26のくさぎ |
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タイプ | ストール |
素 材 | サテン |
植 物 | くさぎ |
サイズ | 190cm×43cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
5/9のくさぎ |
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タイプ | ストール |
素 材 | 楊柳 |
植 物 | くさぎ |
サイズ | 180cm×40cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
5/26のくさぎ |
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タイプ | ストール |
素 材 | ジョーゼット |
植 物 | くさぎ |
サイズ | 180cm×52cm |
価 格 | 16,200円(税込) |
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